Machina Viva
Wolverine
Sensory Records
2016-07-08




1.The Bedlam Overture
2.Machina
3.Pile of Ash
4.Our Last Goodbye
5.Pledge
6.When the Night Comes
7.Nemesis
8.Sheds
9.Pile of Ash (cello version) 
 

Swedenのプログレ5枚目。
またまたいきなり話がそれますが
最近Alternative系のプログレを取り上げるレビューサイトを結構見かけるようになり、
日本での注目度も上がってきているのかなと思ったりしているのですが、
2016年はその手のバンドの新作も多く発表され話題に事欠かない感じだったように思います。

個人的にはプログレに関しては2016年は多く出たものの
気に入ったのはあんまりなかったかなという印象なのですが、
ここにご紹介するWolverineの新譜は年間ベスト入りもあり得る力作です。

前作のCommunication Lostも美しいメロディが多い良作だったのですが、
本作ではさらにプログレ方面に一歩踏み出した内容になっており、
1曲目から14分の大曲で始まります。
これまで路線的にはPain Of Salvation+Riverside÷2という感じでしたが
今作はそこにAnathemaが入ってきたような感じです。

というか聴き始めのイメージは、随分Anathemaに寄せてきたなと
いう印象で斜に構えてしまったのですが、
聴き進めていくと元々このバンドが持っていた内省系美メロの歌唱をメインに据えた音楽性を
post progressiveな方向にシフトさせたようで、流行にのったとも取れなくもないですが、
各曲でしっかり印象的な歌が披露されており、
内傷的なプログレが好きな方は琴線に触れるものがあるかと思います。

注目度が低いのかマイナーなだけかもしれませんが
この新譜を取り上げられた日本のサイトはKaltes_Feuerさんのところしか見かけていません。
(かなり参考にした記事になってしまい申し訳ないです)
しかし今年の新譜としてはこの手の音楽が好きな方は必聴の内容と思います。

ただ、音質はもっとダイナミックにしてほしかったです。
演奏陣が奥まって聞こえるし、特にドラムが小さくて、とにかく地味な音質で
演奏陣への注耳(?)度が皆無になってしまっている。
十分に上手い演奏だと思うのですけど…

アルバム全体の起伏が後半若干甘く、演奏陣も地味なのがウィークポイントかと思いますが、
歌に関してはかなりのレベルであり、これがこのバンドの個性と思うので、
今後も作曲と歌を磨きまくっていってほしいと思います。

前半の流れは特筆レベルで
キラーチューン④Our Last Goodbyeに至るまでの流れはかなり感動的です。
ぜひ聴いてみていただきたいです。



なおまだ2016年はレビューしたいCDがあるのでベスト記事はまだ先です。
ごめんなさい…